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今日はピピの月命日です

ピピがいなくなってしまってから1か月です。早かったような、でもピピがいたのは遠い昔の夢のような変な感じです。とってもさみしいですし、ピピを思えばやっぱり涙は止まりません。でも、不思議と辛くないのです。ピピがいなかった頃どうしていたのか覚えていないくらい彼女の存在は大きかったのに、ピピのいない生活にあっさり馴染んだ自分がいます。私って薄情だな・・・とも正直思いません。ピピは、ピピの体はもう私のそばにいないけれど私はピピを失ったのではないということなんだろうと思います。ピピの最期に関しても後悔はありません。何度考えても「これでよかったんだ」と思います。ピピがうまく立ち回り、私に後悔をさせないようにがんばってうまく時間を使ってくれたのではないかと思っています。ありがとう、ピピ。

まだ、思い出すのは辛いけどピピの最期の日を書いておこうと思います。




10月3日16:00過ぎ仕事をしていた私に母からメールが入りました。

「ピピが足に力が入らずに歩けなくなった」

これを見て、ああ、ついに来たか とだけ思いました。この日の朝、ピピは相変わらずシリンジからですが流動食をしっかり食べ、いつも通りに機嫌よくベランダをうろつき楽しげに過ごしていました。ですが、数日前から何となく雰囲気が違っていたのです。そろそろ、旅立ちが近いのかもしれないと思いつつ、不安がっても仕方ないと自分に言い聞かせなるべく何も変えずにいつも通りの生活をしようと思っていました。
 とりあえず、仕事を早退して家に帰りピピの顔を見ると相変わらずニコニコと明るい表情をしていました。心臓の薬を飲ませる時間が近かったのでとりあえずニュートリスタットを少量なめさせ様子をみましたが、足に力が入らないこと以外はいつもと変わらないようです。でも、ひとつだけ違うことがありました。唇や歯茎が真っ白なのです。貧血が進んでいるとはいえ、前日まではきれいなピンク色をしていました。おそら心臓の具合が悪くなってしまったのでしょう。その時点で「やっぱりお別れの時が来たんだ」と思いました。いつも通りに薬を飲ませ、いつも通りに流動食を食べさせました。やっぱりいつも通りにニコニコといつも通りの量を食べました。8時過ぎにお水もしっかり飲んで、落ち着いているようだったので私はミラの散歩に出ました。
 散歩から帰ってくるとピピの様子が明らかにおかしくなっていました。落ち着いていた呼吸が激しくハァハァと全力で息をしています。呼吸数は1分間に100回ぐらいとかなり激しい呼吸です。病院に連れて行くかどうか迷いましたが、この状態で処置をして1日2日生き延びたとしても体の具合がよくなることはないでしょう。そうだとするとその数日間はピピにとって幸せな時間と言えるかどうか疑問です。ピピに苦しい思いをさせてまで無理やりに生かしておこうとは思いません。8時過ぎに始まった「発作」はなかなか収まる様子はなく、ただ傍にいることしかできずもどかしい思いをしながら時間だけが2時間3時間と過ぎていきました。この呼吸が収まるときはピピが力尽きる時なのかもしれないと思いながらも、早く楽になってほしいとも思いました。12時を過ぎる頃、呼吸がふつう通りの穏やかな呼吸に戻ることが出てきました。時間も時間なのでいつも通りに私の部屋に連れて行き、私の枕元に作ったベッドに寝かせました。落ち着いた呼吸になる時間少しずつ増えていき・・・「いよいよか・・・」と覚悟をした私をからかうようにピピはすぅすぅと穏やかな息をして寝ています。ピピを撫でながら私も寝て・・・
 翌4日朝、ピピは穏やかな表情でいつも通りにニコニコしていました。ですが、もう水も流動食も受け付けません。無理に流し込んでも器官に入ってしまうので、何もあげないことに決めました。この体の大きさで水も飲まなければ、残りの時間はあっという間でしょう。でも、ピピがいらないと言っているのでそういうことなのです。迷ったけれど、もう時間はあまり残っていないのです。仕事を休んでずっとピピと一緒にいることに決めました。「犬が具合が悪いのでお休みします。たぶん今日中に死んでしまうと思いますので明日は出勤します。」こんなわがままを許してくれる犬バカな上司に感謝です。彼も常日頃から「犬は子供だ」と断言する愛犬家です。
 午前中は何もする気なれずにごろごろしていまして、11時ごろからピピを膝に乗せてベランダに座り2人で外を眺めました。ベランダから外を眺めるのが大好きでしたので、とてもうれしそうにキョロキョロしていました。その後、1時過ぎから抱っこでおさんぽに行きました。必要がないのはわかっているけれどあえていつも通りに胴輪とリードをつけていきました。いつも匂い取りをする塀や木に顔を近づけてあげました。クンクンと匂い取りをすることはありませんでしたけれど、たぶん何かを感じてくれたのではないかと思います。家に帰ってからは疲れただろうからと寝かせました。私も眠れないけど傍にくっついてひたすら撫でていました。
 午後2時半ごろからピピの反応がなくなりました。ひげに触ると目をつぶったりするような反射運動のみ。目の焦点はあっていないようで、何も目で追いかけたりしなくなりました。最後に水やご飯を食べてから18時間以上経っています。無理もありません。夜6時を過ぎて家族が帰ってきてからはリビングに移動して毛布に寝かせました。いつも通り家族で食事をして、テレビを見ながらみんなでのんびりしていた午後8時12分ごろ。カハーカハーと大きく口を開ける下顎呼吸が始まりました。「ピピはたぶんこれで最期だよ」私の声で家族全員がピピのそばに集まりました。間もなく呼吸が止まり、さらに20秒ぐらいで心拍も止まりました。

 10月4日(金)20:15 ピピ永眠

前日に4時間ほど苦しい時間がありましたが、その後はとても穏やかに時間を過ごすことができました。わたしも、最後の1日をピピのそばで過ごすことができて、家族全員で見送ってあげることができてよかったです。頑張ったピピへのご褒美でしょうか?私たちがつらい思いをすることがないようにとピピの精一杯の努力の結果でしょうか?ピピさん、おつかれさまでした。うちの子になってくれてありがとう。また、縁があったら会いましょうね。
by chagallsky | 2013-11-04 23:02 | 犬のこと